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とっておきの音楽祭
~第3回日本イベント大賞受賞イベント~

*“とっておきの音楽祭” 第3回日本イベント大賞の大賞と社会貢献部門賞を受賞したイベントです。

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  仙台で開催されるこの文化イベントは、「みんなちがってみんないい」をコンセプトとしたもので、障がいの有無、プロ・アマ、演奏の分野、地域住民・他県人、国内・海外……そうしたいっさいの垣根を問わずに、音楽を奏でたい・歌いたい人なら誰でも、エントリーできるイベントです。たった1日のイベントですが、回を重ねるごとに参加者は増え、街のあちこちに設けられたステージで、約1800人が歌い、奏で、踊り、パフォーマンスを繰り広げるのです。観客は、約18万人。参加者、観光客、そして街行く人々すべてが観客……。
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 スケジュール担当者は、今年も200をゆうに超える団体の名簿と、演奏スケジュール表とにらめっこをしていた。今年のステージは26カ所。参加団体は246団体。これを朝の10時から17時30分までの中で、演奏時間ごとに割り振っていくのだ。演奏時間も30分だったり1時間以上だったりとそれぞれ違う。楽器の設置時間、考慮しなければならない。(下は演奏スケジュールの一部)




 各団体への連絡方法はさまざまだ。聴覚や視覚に障がいがある人、海外からの参加者などへは、電話やメールなどに配慮も必要だ。参加者の名前、住所、メール、電話……、いろいろな情報が担当者のもとに届く

 会場は街中だ。公園、駐車場、商店街の広場、ビルの前、仙台特有の広い中央分離帯など……。それぞれのステージでの音が重なり合わないように、音響の向きやボリュームにも気を配る。




 メイン会場の市民広場では、市民参加のフリーマーケットが開かれる。主催側も、この広場で特設カフェ“オハイエ”を経営。大きな収入源である。もう一つの収入源は、「募金」だ。街のあちこちでスタッフが募金活動を行った。100円以上のカンパで、オリジナル缶バッチ、ステッカーがもらえるのだ。中にはあちこちでカンパをし、いくつもTシャツにバッチをつける人の姿もみられる。オハイエの売上とカンパ、後は団体からの寄付や協賛金で、このイベントは成り立っているのだ。




 当日は、朝から賑わう。プロで音楽を生業としている歌手が、美しい歌声でオリジナル曲を披露する。その隣のステージでは、手作りで揃えた帽子をかぶり、映画の主題歌のCDに合わせてカスタネットやタンバリンを演奏する、障がい者施設からきたパフォーマーもいる。同じ時間、同じ空間を、他の演奏会ではありえない2組が共有できる。




 聴覚に障がいがあっても、いろいろな形で音楽を楽しめることを知らないイベント主催者が多い。そのため、音楽のイベントに手話通訳者がいることはめったにない。しかし、ここではどのステージにも必ず手話通訳がおり、話や歌詞を通訳していた。「みんなちがってみんないい」、音楽の楽しみ方も皆違うことを教えてくれる。




 観衆も様々だ。買い物袋を下げたまま、立ち止まって演奏に聞き入る地元住民。遠方から目当てのアーティストを追ってきたファン。隣同士で音楽に耳を傾ける。各ステージにはスタッフがおり、通行人の邪魔にならないように、そして車などに接触することにないように気を配っている。特にバスは、歩道近くに停まるために気を配る。




 最後のフィナーレは17時30分から19時まで。すべてのパフォーマーが集まり、特大スピーカーで音楽を奏でる。大きな和太鼓に合わせて、地元の踊り「すずめ踊り」が華を添えた。最後は、とっておきの音楽祭のテーマソング「オハイエ」を、手話とともに全員で歌った。




 回を重ねるごとに工夫が生まれる。毎年、多くのゴミの処分に費用が発生していたが、今回は、カフェの隣には大きなリサイクルエリアを設置し、ゴミを資源として分類できるような配慮した。細かく分けることにより、資源として買い取ってもらうことに成功した。




 この街は、この「とっておきの音楽祭」だけではなく、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル in SENDAI」「仙台ゴスペル・フェスティバル」などの他イベントもあり、住民も理解がある。進んでビルの前を提供してくれたり、電源、水道などを提供してくれたりする。なかには、この日のために、特別メニューを用意する飲食店もある。街中が協力してもり立ててくれるがゆえに、成功しているといっても過言ではない。




 主催者側には今、一つの悩みがある。この調子で参加希望者が増えると、ステージが足りなくなるのだ。これまで「誰でも」ということで、参加者をふるいにかけずに受けつけている。エントリー順の受け付けて締め切ることは、コンセプト上やりたくない。では、もっと会場を広げるか、ステージを屋内にも増やすか(誰でも観客になれるということを主眼とし、ステージは屋外をメインとしている)、それとも2日にするか……。今後の大きな課題だという。


とっておきの音楽祭実行委員会監修