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海外の著名なデザイナーなどによるパネルディスカッションを開催
~外国人の出演料の支払いや個人情報を取り扱うイベント


 BCA(ブック・カバー・アソシエーション)は、本の表紙デザインを芸術としてより高めようと、出版業界を中心としてつくられた団体である。来年は、北宋の畢昇が世界初の活字とされる陶器製の活字を作成してから1000年を迎える。これを記念して、世界中の優れた本のデザイナーや出版業界の著名人たちを集め、日本で大掛かりなカンファレンスを行うこととなった。
  国際的な会議ははじめてであるため、BCAの事務局長の梅田は、国際会議の企画や運営に実績のあるデルフォル社に、準備から実施にいたるまでの業務を委託した。デルフォル社担当は柿崎である。
  開催日は3日間。場所は国際空港からそう遠くない郊外の国際会議場とした。柿崎は梅田からの要請を受けて、アメリカで活躍している有名な本のデザイナー、オレン氏に、2時間の講演を依頼した。オレン氏は本のデザインだけでなく、絵画の分野でも有名で、講演料は決して安くはない。それでも、オレン氏の話が直接聞けるとなると、多くの参加者が見込まれる。
  オレン氏の講演は初日だが、その他にもパネルディスカッション、表紙デザインのコンテストを行うことになっていた。特にそのコンテストの最優秀賞として、賞品も用意されている。

 会場の席数は1・2階を合わせて1,100席。3日間のカンファレンスで一般からは3,000人の参加者を募ることとなった。
  新聞やWebで募集すると、すぐに参加希望者が集まった。参加希望者からは、3日のうちの希望参加日を第2希望までエントリーしてもらったり、会議の後に行われるエクスカーション参加の有無を尋ねたり、何度もコンタクトをとる必要が生じるため、氏名の他に、住所や自宅電話、携帯電話、Eメールアドレスなどの情報をもらうことが必要だった。

 カンファレンスの運営をサポートしてくれるスタッフの手配も必要であった。まず、海外から参加される方々のための通訳者の依頼。そして、安全でスムーズな案内・誘導を行なう警備員の配置。これらの業務もすべてデルフォル社に委託した。
  また、エクスカーションも好評で、会場からバスで1時間ほどの日本の城を尋ねるツアーは海外からの参加者に特に人気があり、すぐに募集枠は埋まってしまった。バスや通訳ガイドの手配も含め、この観光を兼ねたエクスカーションは、デルフォル社は旅行業の登録をしていないことから、柿崎から紹介された旅行会社に依頼した。

 当日は多くの参加者が決められた時間に一斉に移動することが想定された。梅田と柿崎は、今回のカンファレンスにおいて配慮が必要となる主なポイントは、的確な状況判断、スタッフ間の情報の共有、そしてVIPへのスムーズな応対であると考えていた。なぜならば、会場内が混雑した場合、スタッフの独自の判断によるバラバラな対応がトラブルを大きくさせることが多いこと、また今回のカンファレンスでは、大勢のマスコミによるVIPへの取材が予定されていたため、VIPの評価がイベント全体の評価に大きく影響を与えると思えるからだった。
そこで、会場内の通信手段に、即時性が高くスタッフ間の情報共有がしやすいトランシーバーを活用することとした。また、VIPを応対するアテンダントの所属事務所にもマネージャーの常駐を依頼し、アテンダントに的確な指示が出せる環境も整えた。

カンファレンスは予想以上の人出で、特に会場横に設置した本の即売会には会議参加者以外の多くの人が押し寄せ、梅田も現場で陣頭指揮を執った。大変な混雑であったにも関わらず、周到な準備の甲斐あって当日はスムーズな運営が実現し、カンファレンス参加者をはじめVIP、来場者から大好評を博した。そして、次回の開催を望む声も多数BCAに寄せられた。